毎回違う日本酒をたしなみながら絶品のおでんが味わえる大人の隠れ家

店長
阿部 満

―寿町から移転されたそうですね。

2017年に同じ所沢市内の寿町で開店し、これまで多くの方にご利用いただきましたが、駅近で立地のよいH-CUBEに移ることで、新規の方も含め、より気軽にお立ち寄りいただける店になると思い、移転することにしました。カウンター席を中心にした店づくりや全体の雰囲気に変わりはありませんが、これまでご提供していた鮮魚料理などは系列店の『うおまん』に任せ、当店はメイン料理のおでんに、より力を注ぐ形で営業することにいたしました。
 

―『おでまん』のおでんの特徴を教えてください。

まず、おでんの味の決め手となるダシは、醤油ベースの濃い目の味となっております。私の母が昔作ってくれたおでんの味を元にアレンジしたものですが、つゆの見た目が結構黒いので、初めて来られた時は驚かれる方が多いですね。ですが、その分具材に味が染み込み、お酒にもよく合うと思います。

―具材のこだわりは何でしょうか。

一番のこだわりは、玉子を半熟にしているところですね。定番の固ゆで玉子も用意しておりますが、私の好みで半熟の玉子を出したところ、とてもご好評いただき、今ではほとんどの方がご注文されるほど人気の品となりました。
 
他には、大き目の大根に、とろろ昆布をたっぷりのせた品も大変人気です。2、3日かけてしっかりと仕込んだ大根に、ダシを吸いこんだ昆布のうま味が絡みつくことで、味わいの変化や美味しさを一層感じていただけると思います。こちらの品もぜひお試しください。

―一品ずつ注文できるのがいいですね。

それがおでんの醍醐味ですからね。屋台のおでん屋さんのような気軽さを大切にしていきたいのです。グループで来店されても、それぞれが好きな具を好きな分だけ頼んで“自分だけのワンプレート”で楽しめるというのが、おでん屋ならではのメリットだと思っていますから。
 
当店ではお通しもご提供していないんです。おでんを目的にご来店いただいているお客様に、おでんと関係のない中途半端なものをお出しするくらいなら必要ないと思って。そういった意味でも、屋台のように気軽におでんを食べに来ていただければ嬉しいですね。

―日本酒にも力を入れているそうですね。

はい。当店では常時15種～20種ほど日本酒を用意しておりますが、特定の銘柄を定期的に入荷するのではなく、無くなったら都度1本ずつ違う銘柄のお酒を入荷しているんです。私だけでなく、お酒好きなスタッフたちがそれぞれに厳選したお酒を仕入れておりますので、ご来店いただく度に違う銘柄の日本酒をお楽しみいただけます。
 
珍しいお酒を入荷することもありますし、お客様からのリクエストに応じて入荷することも可能です。おでんをつまみながら味わったことのないお酒で一献傾ける、そんな至福のひとときをご堪能ください。

―接客の上で大切にされていることはありますか。

カウンター席があるので、お客様とのコミュニケーションはとても大切にしています。特におひとりで来られても居心地よく過ごせるよう、スタッフ全員が細かな気配りを心がけるようにしています。スタッフを介して他のお客様とも仲良くなり、いつの間にか会話に花を咲かせているなんてことも、当店ではよく見られる光景です。
 
外から中の様子があまり見えないので、一見入りにくい雰囲気もあると思いますが、逆に中に入ると外からの目線を気にすることなく、くつろいでお過ごしいただけると思います。おひとり様からグループ、ご家族まで幅広くご利用いただいておりますので、ぜひ気軽にお越しください。

―飲食業を目指す若者を育てていきたいそうですね。

そうなんです。雇用を増やすことで社会貢献をしていきたいという想いもありますが、何より私自身がこんなに面白い職業はないと思っているので、その面白さを多くの若者に知ってほしいというのが一番の目的です。カウンター越しに、さまざまな職業や立場の人とお話ができ、いろんな事を知ることで自分自身の人生も豊かにすることができますからね。別におでん屋である必要はないんです。いろんな街にこの店から巣立っていった若者たちが自分の店を出し、それらの店を飲み歩くのが、私のこれからの夢ですね。

• 店長 阿部 満

  

  神奈川県小田原市出身。洋食レストランを営んでいた父親に憧れを抱き、飲食の道を志す。大人になってから日本酒の美味しさに魅了され、いつしか居酒屋の道を目指すようになる。自分の店を持ちたいと考えた時に、母のおでんの味を思い出し、おでんをメインにした店を出すことに。所沢の地を選んだのは、埼玉西武ライオンズのファンだったから。2017年に寿町で『おでまん』を開店し、2020年には、鮮魚料理をメインに据えた系列店の『うおまん』を開店。2023年4月にH-CUBEに『おでまん』を移転し、現在に至る。